中文版 

 

Q16: ファイバレーザとは?

光ファイバ内で特定波長の光を増幅させることにより、小型、高効率、高信頼性、高ビーム品質そして高出力の全てを実現できる理想的なレーザです。

 

レーザ媒質にファイバーを用いたレーザです。YAGはYAG結晶を用いています。

どちらも近赤外波長ですが発振の原理が異なりYAGの不安定要素である熱レンズが無く、多くの利点があります。

 

YAGレーザとの違いは?

発振器の構成を比較します。

 

 

 

 


 

 

YAGで例えるとファイバレーザは共振器ミラー的役割をFBGが行なう。(Fiber Bragg Grating)

 

特徴としては

1.共振器ミラー等の光学調整が不要

  (共振器がファイバの中にあり発振等がズレることが無い。)

 

2.重要な発振部分にミラーやレンズ無いのでメンテナンスが不要

  (発振部分はファイバ内にあり、融着されているので空間に露出する部分が無い)

 

3.発振効率が良い

    (同じ電力を投入してどの程度の違いが発生するかを比較)

 

今までのレーザを発生させる仕組み(ファブリペロー共振器)と大きくことなり、ファイバレーザを作る=ファイバメーカの領域になっている。レーザメーカはこのブラックボックスを超える発振器を作れるか?又は加工へどのように反映させるか?を考えなければならない時代になったと言えるのではないでしょうか。

 

 

その他

 

・ビームが高品質(更に細く深い高速加工が可能)

・高反射材/難材料に対して安定した加工が可能

・変換効率が良い(少ない電力でレーザ光を発生させる事が可能)

・小型軽量化が可能(電源が小さく、発振器スペースも小さい)

・長焦点で加工が可能。

 

ビーム品質=BPPBeam Parameter Product

ビーム径とビーム発散角の積、つまりレーザ光を出射するファイバーコア半径とビームの拡がりの積で、この数値が小さければ小さいほど集光性に優れビーム品質が良いとされています。

ビーム品質が良い=溶接時のスポット径を小さくできる。

同じ出力のレーザ発振器であっても『ビーム品質』が異なれば、材料への照射パワー密度が異なるため溶込みの状態が異なることになります。

レーザ溶接の場合、ワーク形状や材質、生産タクトによって『YAGレーザ溶接』と『ファイバーレーザ溶接』の選択があり、費用対効果を含めて検討する事が重要です。

 

  【 YAGのパルスシーム溶接】      【ファイバレーザのシーム溶接】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                              レーザの部屋 TOPに戻る