青と緑、波長が似ているがどちらを選ぶ? |
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高反射材料の溶接は、ファイバレーザ(近赤外)ではワークに対して反射が多く難加工とされています。
そこでファイバレーザより10倍以上吸収率の良い青色レーザや緑色レーザが注目されています。(青と緑の銅に対する吸収性は殆ど同じ)
・青色レーザは半導体レーザ (拡がりが多い )
・緑色レーザは個体レーザ (拡がりが少ない)
では、何が異なりそのメリットとデメリットは?
※ 加工する側からの視点でのイメージ比較
青と緑のメリットとデメリット |
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青色レーザは半導体レーザなので集光性がイマイチでキーホール溶接が苦手。1kWでφ0.8mmに絞っても0.3mm程度しか溶接できない。
※ UW製 UW-1000-455の場合(共振器型の青は除外)
・キーホール溶接とは
焦点で深く溶接するイメージ
・熱伝導型の溶接とは
表面から熱を加えて溶接する方法。
焦点がボケている状態で溶接するイメージ
要は拡がりが大きくガルバノスキャナ等の周辺機器使用に制約を受ける。
半導体レーザなので、用途が見合えばお手軽に使えることがメリット!
緑色レーザはビーム品質が良いが高価である。
今は高出力の青色レーザも高価なのですが、将来的に青色レーザの価格は緑色レーザより安くなる傾向だと考えます。
もう一点、現場で良く聞く話ですが、緑色レーザは青と比較して複雑。
つまりメンテや故障時の対応、同時にそのコストも問題視されていると聞いています。
今の結論として・・・・・
直近は安くて使用勝手の良い青色レーザで銅加工を極め、数年後に緑色レーザが安くなるまで待ってから、スキャナ等を用いた幅広い加工にトライするのが良いかと思っています。
個人的には、予算にとらわれず最新の技術を極めるなら断然グリーンレーザが欲しいですね。
今、グリーンレーザで最高の溶接技術はトルンプ社が実現しています。
発振器だけでなく、総合的なソリューションで安心の高品質加工を実現している点も素晴らしい。
現在の技術で青色レーザはビーム品質という点ではグリーンレーザに劣るけど、価格と目的が合えば使い易いレーザと言えるのではないでしょうか?
車に例えるなら、ドイツ製の高性能車か、買い物用途に低価格の国産軽自動車の選択と同じで予算と目的によって何が出来るか?で選択することが最良かと思います。
スパッタ抑制と、その費用対効果 |
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溶接の悪い主要素は2つ。(特に難儀な銅の溶接)
1.スパッタ
2.ブローフォール
溶接時に溶けた金属内で発生する主要素をハイブリッド工法が解消します。
では、どの程度の効果を得られるか?
銅端子3mm×3mmの溶接
この2つの問題を解決する手段として有効な手法はハイブリッドです。
ファイバレーザのコアが2個あるダブルコア方式を用いても、2波長で行っても解決出来ます。
青や緑の波長で銅を溶接すると、ファイバやYAGでSUS材を溶接するイメージで溶接ができます。
5kWで100μm程度あれば単独の溶接で重宝する時代が来るかも知れません。
ただ、銅はSUSより放熱が早いので、より多くのエネルギーを投入してもSUSの様に溶け込み深さが比例しません。
治具を改良しても限界があります。
なので当面、コストの安いシングルモードファイバレーザがキーホール溶接を担い、余熱や除熱、溶接開口部の間口を拡げる役割を他の光源が担う方式が良いと考えます。
重要なのは 余熱 と 除熱
BLDは半導体レーザなので拡がりを抑えきれず、スキャナを有効的に使えないことがデメリットです。
輝度が高い共振型の特殊BLDに対しては価格面で課題があり、グリーンレーザと比較して、どちらがコストメリットを得られるか?今後が楽しみな分野です。
UWが開発したφ0.8mmの1000㍗は、銅の加工を目的に開発された熱源であり、重要なのはそのコストです。
来年は実用される出力に見合うスペック(少し出力を落とした廉価版)で銅の実用的な加工を広めることが目標です。
少し余談になりますが・・・ |
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TIG溶接とハンド式レーザ溶接を行う技術者に言わせると、余熱と除熱は当たり前。しかもガスバーナで予熱し、色加減?匂い?を見極めながら既にハイブリッド溶接を行っている方々をみて感動!
UWでは青色レーザとファイバレーザを重畳して難加工を克服しました。
職人技術とコラボして、費用対効果の得られる高品質レーザ溶接を目指します!
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